崎陽軒 冷凍自動販売機
HELSINKI, FINLAND - JUNE 17: Australian rock band AC/DC on Black Ice World Tour June 17, 2009 in Helsinki, Finland
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⑧アンシカインディアの思い出

自販機ブームがついに崎陽軒にまで、橫浜日野店に「崎陽軒 冷凍自販機」を設置

日本ツアーを振り返る〜あの時何が起こったのか〜

の続きです)

下北沢カレー王座決定戦がうまくいったので、これをもっと大きな規模でやりたいと考えた。でも2011年の下北沢には2021年の今のように駅前に大きな広場がなかったので、代々木公園で毎年開催されているタイフェスのような大規模フードイベントをすることはできなかった。

だから、見方を変えて、下北沢の町全体を会場として、お店1つ1つを屋台に見立てたら、タイフェスのようなお祭りができるんじゃないかと考えた。

下北沢でカレーフェスを始めた理由を簡単に言うとこのような流れになる。

ただ、それと並行して、もう1つ、考えていた「カレーフェスを始めた理由」がある。

おいしいカレーを作っているのに、経営がうまくいっていなさそうなお店を助けたいという理由もあった。

2011年の下北沢には、モエツカリー(本多劇場の近く)、SPICIA(スパイシア。西口の近く)、アンシカインディア(茶沢通りの交番の近く)、2×2=8(ににんがよん)、ナンステーション、レストランシアター下北沢シヴァ、ガネーシャガル代沢、といったお店があり、インドカレーを出していた。

私はアンシカインディアのファンだった。

カレーがおいしかったのはもちろんだが、このお店の魅力はカレー以外のインド料理のメニューが豊富にあり、カレーとナンを食べる以外の楽しみ方ができた。

何年か前からカレー細胞さんが、カレー屋で呑むことの面白さについて発信されているが、今思うとアンシカインディアではそれができた。そして、おいしかった。

私の人生観として「何か1つ得意なことがあれば、人が生きていく上でそれで充分であり、おいしいカレーを作れるというのはすごいことで、そういうお店が経営を続けられる街や社会こそがあるべき姿だ」と考えている。

しかし、現実は厳しく、当時も今も、カレーの味だけではなく宣伝の上手さなどプラスアルファの何かがないとお店を続けられない現状が下北沢にはある。

カレー屋さんだけでなく、私を含む、生きづらさを感じているすべての人に対して、人が生きていく上で必要な基準のハードルをもっと下げたいと思っている。

カレーフェスに限らず、無職FESをはじめとする他のイベント活動にも共通して、私はそういうことを考えてやってきたし、これからもやっていくつもりだ。

アンシカインディアはおいしいカレー屋さんだった。

しかし、宣伝に関してはあまりうまくないようにも見えた。内装が地味だったり、全体的におしゃれな感じはなかった。

店頭でお店の方がチラシを配っているのをよく見かけたがお店の立地も悪かった。

お店のあった一番街商店街は、今でこそ古いビルの建て替えや閉店したお店の入れ替わりにより、いい感じのお店が増えて人通りが増えたが、10年前は今よりいい感じのお店は少なくて人通りも少なかった。

ただ本当にアンシカインディアのカレーやインド料理はおいしくて、1回食べたらまた来る人は絶対いると思ったので、カレーフェスをやれば、どんなお店だろうと思って来店する人は増えるだろうし、その中からお店のファンになる人が現れて、お店の経営がうまくいけばいいなと思っていた。

「今度、下北沢でカレーフェスをやろうと思うんですよ、どう思います?」と、たまにアンシカインディアに行っては、お店の方と話をしていた。

そしていよいよ10月の開催に向けて参加店の募集をするぞ、という段階になった8月に

「岩井さん、ごめんなさい。うち、来月で閉店するのでカレーフェスには参加できません」とお店の人から告げられた。

その時点では、まだ実績のない、うまくいくかもわからないイベントを準備しているだけだったので、ただただ残念な気持ちだったが、その後、イベントが成功したことを思うと、あと1年早く開催していれば、少しはちがったかもなぁと残念に思う。

とは言っても、カレーフェスができたことは1年365日のうちの1週間や2週間という、ごくごく短い期間に下北沢でカレーを食べる人を少し増やすことだけだ。

カレーフェスの経済効果だけでお店をやっていけるほど下北沢のテナントの家賃の高さと客単価の低さは甘くないし、結果は同じだった可能性の方が高い。

それはわかっているが、それでもやっぱりあの時の残念さは今でも忘れられない。

カレー王座決定戦とアンシカインディア。

カレーフェスを始めるにいたった経緯と、やろうと思った理由。

どちらも大事なエピソードだ。

下北沢でカレーフェスティバルが始まった経緯として、おおまかにはそんな話があった。

だからこそ、2014年(3年目)のカレーフェス最終日、参加店にお礼のあいさつ回りをしていて、とあるカレー屋の店長さんから「カレーフェスのおかげで年が越せそうです、ありがとうございました」と言ってもらえた時は、すごく嬉しかった。

その時お礼を言ってくださった店長さんのお店は2021年の今も下北沢にある。お手頃価格でおなかいっぱいカレーを食べられることが売りのだが、カツカレーのカツがすごく美味しいので、もし行くことがあればカツカレーを食べてみてほしい。

お店の人が教えてくれると思うが、最初からカツにカレーをかけず、最初は塩で食べてほしい。

最後まで塩で食べてもいい。

私ももう何年かお店に行ってないので、この原稿が完成したら、久しぶりにカツカレーを食べに行ってみたい。 

(2022年7月現在、結局なんだかんだまだカツカレーは食べに行けていない。今年のカレーフェスの前後で一度、行ってみたい。そう決意した)

へ続く)

全部で⑪まであります。続きを一気に読みたくなったらnoteもあります。

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